祖母のコロッケ。少しでも祖母の味に近づこうと試行錯誤を繰り返している。

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私は、子供の頃から「好きな食べ物は?」と聞かれると、
「コロッケ」と答えていた。
でも、私の好きなコロッケは、どこかの美味しいと有名なお店のものでも、
母の作るコロッケでもなく、祖母の作るコロッケだった。

いつからだろう、私がそう答えていることを知った祖母は、
私が祖母の家に行くたびに、たくさんのコロッケを作って待っていてくれた。
そして、祖母が家に来る時も、お土産はいつも手作りのコロッケ。

子供の頃、何度も母に母の作るコロッケは違う!祖母の味を再現してと、
せがんだ記憶がある。

母は祖母に作り方を聞いていたけど、やっぱりどこか違う。

祖母は嬉しそうに「簡単なのよ。特別な作り方していないもの」と言って笑っていた。

私が結婚して、子供が生まれて、ことある度に祖母はお祝いを持って遊びにきてくれた。
その時も、お土産はやっぱりコロッケ。
そして、その味は私が子供の頃から大好きなコロッケの味。
じゃがいもがゴロゴロしていて、玉ねぎとひき肉との絶妙なバランス。
変わらずに美味しい。

そして、私が29歳の時に祖母は亡くなった。
もう私がずっと大好きだったあのコロッケは食べられない。

私は、家族にコロッケを作る度に、祖母のコロッケを思い出す。
少しでも祖母の味に近づこうと試行錯誤して10数年。

まだまだ祖母の味を再現することはできていないけれど、
この前12歳の娘が何気なく言った。
「ママの作るコロッケって異常に美味しいよね~」

少しはおばあちゃんの味に近づけたかな?

きっと私はまだまだこれからもおばあちゃんの味を思い出しながら、コロッケを
作り続けて行くんだろうな・・・。

こんな飯は?