冬の夜食、味噌煮込みうどん。受験生の想い出。化学が苦手だった。

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1年で一番寒い季節の記憶にあるのは、受験生だった頃、ほぼ毎日のように食べていた、夜食の味噌煮込みうどん。

今ではもう販売されていないけれど、当時は、アルミ鍋に緑の針がねの取っ手がついたインスタントの味噌煮込みがあった。
葱に卵がお約束。時には油揚げも入っていたっけ。

自分で作る事もあったけれど、大抵は母が作り、部屋まで運んでくれたなあ。時間はいつも夜10時頃。
よくもそんな時間に、味噌煮込み1人分、食べたものだと、思い出しては呆れてしまう。
今の私ならば、そんな無茶はとてもじゃないけど、ありえない。

若さって奴ですか。それと、やっぱり、それなりに受験勉強をしていたのだと思う。
夜食を食べて、息抜きついでに窓を開けて、冬の夜空を眺めた。

寒空のなか、ひときわ強い光を放っていたシリウスの美しさ、よく覚えているよ。
苦手な数学、何度トライしても覚えられない化学式、好きだった英語、楽しかった歴史。
あの頃は、受験勉強が、人生の全てだった。それ以外の生き方なんて、想像もできなかった。

でも、過ぎてみれば、とっても小さな人生の一コマで、懐かしく、ちょっと愛おしい。
もしも、タイムマシンがあって、あの頃の自分に会えるなら、「だいじょうぶ。人生、そんなにこわくないよ」と伝えてあげたい。

そして、傍にある、母の作ってくれたインスタントの味噌煮込みを、食べたい。

こんな飯は?