茶碗蒸しの具材――各家庭で様々なものを入れると思いますが、我が家はシイタケ・ぎんなん・蒲鉾・エビ・三つ葉・鶏肉(ささみ)を入れます。
そして時にはうどんも入れます。別名「おだまき蒸し」。うどんが加わるだけでボリュームが出て、別物のように感じます。
そんなおだまき蒸しが好きな私ですが、常々なぜうどんが入ると「おだまき」なの? そもそも「おだまき」って何?
と、小さな茶碗からプルプル玉子をすくいながら思っていました。
「おだまき」……歴史好きな人ならピンと来るかもしれません。
一般的ではない単語ながら、日本史の某エピソードに登場しますよね?
まあ、知る人は知っている知らない人は全く知らない、日本史上のそこそこ有名な悲恋カップルのエピソードですが。
そう、平安末期の武将源義経の愛妾、あの静御前が詠んだ歌!
「しづやしづ しづのをだまき くりかへし むかしをいまに なすよしもがな」
あの「おだまき」なのです!
茶碗蒸し内のうどんは「しづのをだまき」のおだまきなんです!
同一の物です。びっくりです。こんなところでつながるなんて!
おだまきは麻糸をくるくるまとめたボール、今で言うところの毛糸玉のようなものですが、うどんをそれに見立てたのでしょうね。
だから、おだまきに似たうどんが入っている茶碗蒸しは「おだまき蒸し」。
なるほどなるほど。
そう分かった上で食べると、何やら味に深みが出るような、やっぱり気のせいのような(笑)。
いかがでしょう。
茶碗蒸しだと思ってスプーンですくったらおだまき蒸しだった時、茶碗の中に思いがけずうどんの姿を発見した時、麻玉や静御前に思いを馳せつつ食してみては?
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