インドカレーとナン

粉食文化解説。なぜ収穫した穀物をわざわざ粉にするのか。

インドカレーとナン

粉食文化について、面白い本を読みました。

文化的に言えば、収穫した穀物をそのまま食べる「粒食文化」の方が、より原始的と考える事ができます。
日本の米などが、これですね。

一旦、収穫した穀物を、かなりの労力をかけて「粉に挽く」と言うのは、より進化した文化形態というワケですね。
また、その粉に熱を加えて食べる「粥」の様なものから、パンなどの様に発酵させて焼く複雑な調理方法の物まで、様々な形態があるワケです。

自分が最初に興味を持ったのは、インドの「チャパティ」でした。
本来は全粒粉で作る模様ですが、

 ・小麦粉に少量の水と塩を加えてこねる
 ・放置して自然発酵
 ・焼く

という簡単さです。



実際、自分で作ってみたところ、カレー店で食べる様のと同じ様なものができました。

インドの様な調理用の煙突(?)はありませんので、フライパンで焼きましたが、なにしろ材料が粉だけです。
味は全く変わりませんでした。


これが原体験となって、いろいろな本を読んだのですが、「コーンブレッド」の本が一番、面白かったです。
コーンブレッドと言うのは、ネイティブ・アメリカンが作っていた、トウモロコシ粉のパンです。


トウモロコシ粉は、小麦粉よりも扱いづらく、ベーキングパウダーだけでは上手く膨らみません。
そこで、日本では饅頭などに使う「重曹」も同時に入れてしまいます。
かなり無理やり感がありましたが、面白いレシピです。
ここまでしないと「ものすごく硬い」物しかできないそうで、もはや「生活の知恵」という感じですね。



この本は、北部アメリカで収集されたレシピが載っていますので、「コーヒーと柿のケーキ」なんて物も載っています。
最初に「柿を食べた事が無い人は多いと思うけど、是非、試してみてほしい」みたいな事が書かれていて、日本人の自分には新鮮でした。

こんな飯は?