里芋の味噌串焼き

栃木県民のソウルフード芋串。栃木県名産のサトイモはとても大きくて、ふかふかねっとり食感です。

里芋の味噌串焼き

栃木県の名物料理というと、お正月の新巻鮭・節分の豆などを利用して荒くおろした大根といっしょに煮る「しもつかれ」というのがよく取り上げられます。

しかし、それはちょっと見た目が悪いという部分がネタ的に取り上げられることが多く、栃木出身者としてはあまり気分がいいものではありません。


私が栃木県の名物として本当にお勧めしたいのは「芋串」というものです。

これは、ゆでるかふかすかして軟らかくしたサトイモを竹串に3つか4つ刺して、そこにちょっと甘めの味噌だれをぬり、炭火で味噌の表面を香ばしく焼いたものです。

栃木県北部、特に日光方面でよく食べられる伝統料理で、現在日光と合併した本来の日光の隣町・今市出身の私はよく食べました。

 

栃木県北部では現在のように農業技術が発達していなかった時代にはサトイモが主食の一つでした。

日光では田植えや稲刈りなど農作業の節目に行われる「オヒマチ」といういわば慰労会のような集まりに芋串がよく食べられたとのこと。また、那須方面では芋串がお正月料理の定番であり、お屠蘇のつまみとしても食べられるとか。

つまり、栃木県北部の人間にとっては芋串こそがソウルフードなのです。

栃木県名産のサトイモはとても大きくて、ふかふかねっとりした食感に表面が軽くこげた味噌だれは最高に相性がよく、素朴で飾り気がない栃木県らしさが表れたすばらしい伝統料理です。

県外の方にはしもつかれではなくこの芋串をぜひ食べていただきたいと思います。冬の日光に行けば囲炉裏がある食堂やお土産やさんで大抵売られています。

こんな飯は?